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理想的な身体づくりへの私の助言・提案として…

 大学で学んだ運動生理学・解剖学を土台に、練馬区立健康増進センターで運動生理学の権威でいらした所長の下14年間公務員として働きながら得たもの、空手から得たもの怪我から得たもの、そして生活のほぼ全てをボディビルで勝つための生き方にした経験から得たもの。
・・・文字として表現するのは難しいのですが、私の所に身体づくりを学びに来て下さる人達に、基本のキの字として伝えていること等も含めて、コラム形式で2~3週間毎に少しずつ内容を変えながら紹介してみたいと思います。

コラム58  ボディビルのポージングで私が意識していたこと

ボディビルの試合は、今は年間を通して開催されているようなので「シーズン」が無くなってきてはいますが、ジムに行くと、冬には丸々していた人達が顔も身体も「シュッ」とし、黒くなってきていて・・・あぁボディビル選手権大会の「シーズン」なんだなぁと感じます。

今回は「ボディビルのポージングで私が意識していたこと」について書いてみます。

 

 基本的にボディビルの試合でのポージングは、ただそのポーズを取るだけでは自分の最大の良さを見せることはできません。フロントから観た「2次元に映るスクリーン上」・・に、どう大きくみせる部分を大きく、かつ美しくみえるように身体のパーツを貼り付け、ポーズを取れるか・・? の技術を持つことによって、全く同人物であっても「表彰台に立てるか・・又は予選落ちするか・・」程の差が、見た目には付いてしまったりもします。

 

1)拮抗筋との同時収縮

・・まず「アウトラインの形成方法」・・の前に、各筋肉の出し方(見せ方)ですが、

私の様な、力をいれないと柔らかいお餅みたいな筋肉をしている人であれば、力を入れなくてもゴツゴツした筋肉の持ち主と違って、筋肉自体を膨らませて見せる以下の操作(拮抗筋との同時収縮という技術)がかなり重要となってきます。

​下の写真は何かにつけて出す写真ですが、同時収縮」について視覚で理解しやすいので(基本的には全ての筋肉についてこういう考え方が当てはまるので)また掲載させてもらいますね・・。

二頭筋だけの収縮(拮抗筋は弛緩)
拮抗筋(三頭筋)との同時収縮

上腕二頭筋のみを収縮させた場合の見え方と、拮抗筋の上腕三頭筋も同時に収縮させた場合の見え方は、全然違って見えるのが解ると思います。(こんなフクロウいましたよね・・)

​基本的には全ての筋肉についてこういう考え方が当てはると考えて下さい。

​次に、アウトラインのつくり方について。これは人それぞれ考え方があると思いますが、私が大事にしてきたのは以下のことです。

2)重心点の位置の理解(引き上げ)

重心点と頭頂部の位置を意識して、その位置を常に引き上げていること。

(股関節・へそ・みぞおちなどの動作のポイントを、普段より高い位置にポジショニングしようと意識します)

 

3)体幹部(胴体)を縦につぶして横に広げる

鎖骨の位置を引き下げて、かつスクリーンに平たく貼り付けて横に広げる。

 

4)身体の軸・シンメトリー

正面を向いてポーズを取る場合、踵を揃えて立った時に左右の踵が合わさる床の位置を軸の基点と考えて、そこから恥骨・へそ・剣状突起・アゴ・頭頂部を地面から真っ直ぐ垂直に積み上げて位置させていました。

 

5)フロントからの2次元視覚でより良くみせる目の錯覚の操作

細く見せたい部位のポイントはより細くみせるために後方に位置させ、大きく太く見せたい部分を前方に広げて貼り付ける作業をします。(横から見ると変な格好です)

肩甲骨は上角ではなく下角の部分を真横にスライドするように広げられる技術を持つことで、背中の広がりを出せますから、日頃からストレッチやトレーニングフォームの改善で、それを少しずつ広げられる様にしておくことが大事ですけれどもね。

 

6)各筋の的確な収縮

収縮位で見せるとより良く見える筋肉は思い切り収縮させれば良いですが、特に背中の広背筋や僧帽筋などの場合、完全な伸張位での収縮の技術も必要になります。緊張させる筋肉を短縮したら、厚みは見せられても大きくは見えませんからね・・。

この時も先に記載した拮抗筋の同時収縮がかなり重要なポイントになります。

 

 フリーポーズについては、ギャラリーの方にも書かせて頂いていますが、動きの中で上記のポイントを、ポーズとポーズの合間も含めてどう的確に決めていけるかがミソだと思います。(ポージングは踊りじゃありません。各ポーズを的確に、各筋肉を大きく見せられるかまず重要で、その組み合わせや流れを芸術的に仕上げる事で1つの舞踊を観ているかのように見せている・・ということです。)

 これが、ヒントになりそうな方いらしたら、試してみて下さい。Good luck!

身体づくりに関する 簡単なアドバイス 

動きの軸や支点を考えてトレーニングしよう

 身体を動かすときに何も考えずに動かすと、自分のクセがそのまま出た動かしやすい動きとなります。自分では左右対称の動きをしているつもりでも、全くもって非対称な動きとなることも多くあります。

スポーツなどについては動きのほとんどが左右非対称となりますから、そうした動きの中でもっともパフォーマンスを上げやすい動きを追求すべきですが、トレーニングを非対称な動きで行なってしまうと筋力の左右差を増大させて、それが痛みや怪我の原因を作り出す可能性もあります。

 これを防ぐために最低限意識してほしいのは動きの支点と方向。左右に身体を倒したり捻ったりするだけでも無意識に行なうとおおよそ左右バラバラな動きになります。体幹であれば動かす支点が「みぞおち」なのか「へそ」なのか、・・・支点の分かりやすい腕の曲げ伸ばしであっても、上腕をどの方向に向けて前腕をどの方向に向けながら上げているのか?など、常に意識しながら行なう事が大事です。

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